医学部を目指している学生は適切な志望校の決め方に悩んでいる傾向にあります。
学力に合わない大学を選ぶと、入試に失敗する確率が高くなってしまいます。
そのため、自分の学力に合っている大学かどうか見極めることが入試成功の鍵となりますが、学力以外にも把握しておかなければいけない事も多くあります。
志望校を決める際に重要となるポイントを6つに分けて解説していきます。
目次
医学部は全国に82校あり、その中から自分に合った大学を決めることが難しく感じる人も少なくありません。
何を基準にして判断すれば良いのか、その段階で躓く人も多いですが、まずは自分の今の学力を見極めましょう。
学力テストなど積極的に行い、自分の偏差値をしっかり把握しておくと目標も立てやすく、志望校を絞る判断基準にもなります。
また、志望校を決める時期によって選べる志望校の幅も広がります。
入試が近い段階になって志望校を決めてしまうと入試対策に遅れが出てしまう他、学力に合った大学選びが適切に行えない確率も高くなり、入試に失敗するリスクも高くなります。
そのため、志望校はできる限り早い段階で決めておくことが大切です。
入試が行なわれる1年前、最低でも半年前に決めておくことが良いでしょう。
1年前に志望校を決めることができれば、そこから学力をさらに向上させることが可能です。
学力が上がれば、大学の選択肢も増え、よりランクの高い大学を目指せるようになります。
医学部を目指すのであれば、入試が始まる1年前にはしっかり準備をして、希望の大学を絞っておくことがベストです。
大学入試は複数受験することが基本ですが、第一志望の大学を決める際はより慎重に決めることが大切です。
自分自身の学力を見極め、それに合った大学を選ぶことも重要ですが、あまりに低いレベルの大学を第一志望に選ぶのはオススメできません。
低すぎると安心感から受験勉強を疎かにしてしまい、勉強へのモチベーションが下がってしまいます。
大学は受かって終わりではなく、大学に入ってから何をするか、何をしたいかが重要です。
先を見越した学力向上やスキルアップが行えるように第一志望に選ぶ大学のレベルは少し上げておくと勉強へのモチベーションも保て、さらなる学力向上が見込めるでしょう。
しかし、自分の学力から遙かにレベルの高い大学を選んでしまうと、勉強や学力向上に行き詰まりを感じてモチベーションが下がり、上手く受験勉強に身が入らなくなります。
第一志望を選ぶ際は、偏差値や志願倍率、合格ラインなど大学の情報をしっかり集め、今の学力から低すぎず、高すぎない目標の大学を選ぶようにしましょう。
早い段階から目標設定できれば、受験勉強の対策もしっかり立てられ、さらに学力の伸びしろが期待できるようになります。
医学部で志望校を選ぶ際は、国公立か私立の大学であるかがポイントになります。
医学部は国公立と私立の2つに分けることができ、それぞれ特徴が異なります。
国公立は高い学力と資質が必要になりますが、学費が私立よりも大幅に安く、経済的に余裕がない人でも医学部を目指すことが可能です。
定員数が少ないため、競争率がかなり高く、合格するには相当な努力が必要になります。
国公立のセンター試験では数学2科目、理科2科目に加え、地理、歴史、公民のいずれか1科目が基本です。
国公立は人材育成に力を入れているので、学費面だけでなく、研究医を目指したい人の選択肢にもなります。
大学院が充実していることも特徴で、医学科4年修了後に大学院に進めるコースが導入されています。
私立は医師国家試験の合格率を上げることに力を入れている大学も多く、医師を目指す人が多く選択する傾向にあります。
学校によって独自の傾向や基準があり、基礎以上の深い知識や内容が出てくるのが私立の試験の特徴です。
各大学に合わせた受験対策を行なう必要があり、受験する大学のリサーチをしっかり行なうことが重要です。
国公立はセンター試験の得点率が90%以上で東大や京大を目指すことができますが、他の国公立でも同じぐらいの学力が求められます。
難問や奇問が出ない代わりに、全体の基礎力を問われる問題や計算が多く出題されます。
どの大学でも全科目、全分野の広い知識が合格には必要不可欠となるため、苦手科目を得意な科目でカバーすることができません。
そのため、合格するためには全体で高い学力が必要となります。
一方、私立は大学によって重視している科目が異なり、理科を重視している大学や英語重視の大学など様々です。
そのため配点率が変わり、重視している科目の配点が多くなり、これにより自分の得意科目で苦手科目をカバーすることができます。
自分の得意科目を重視している大学、または苦手科目をカバーできる大学を探すことで、志望する大学が絞れていくでしょう。
大学卒業後の就職先を考えて大学を決めることも大切です。
医学部には国公立、私立共に地域枠が存在します。
一般枠に比べて合格するのが簡単と言われており、大学卒業後は指定された病院に勤務することになります。
しかし、この地域枠で大学に合格すると、その大学がある地域で10年程働かなければなりません。
大学卒業後は都心で働きたいと考えている場合は、地域枠でなく一般枠で受験することが望ましいです。
また、有力大学出身の方が教授になりやすいため、将来教授になりたいと考えている場合は偏差値が高い大学への合格を目指しましょう。
大学を金銭面から決定している受験生も少なくありません。
医学部は金銭的負担が通常の大学よりかかり、私立になると一層その負担が多くなります。
私立では高い大学で5000万円ほどで、安い大学でも卒業までに最低で2000万円の費用がかかります。
国公立よりも費用の高い私立の中で2000万円台の大学があると、金銭面から国公立を考えている受験生からの人気が必然的に高くなります。
そのため受験する人が多く、その分偏差値が高くなり、合格する確率も低くなってしまいます。
逆に学費が高い大学ほど受験できる層が限られるため、学費の安い大学より偏差値が低いのが特徴です。
国公立は卒業までにかかる費用が300万円程度であり、金銭面に余裕のない家庭で医学部を目指している人は、まず国公立を視野に入れましょう。
ただし前述の通り、学費が安い大学はその分人気があり、偏差値も高くなります。
それに加え、国公立は全教科、全分野で高い学力が必要になり、かなり気合いを入れて受験対策を行なわなければなりません。
受験する大学を選ぶ際、自分に見合った偏差値の大学を選ぶことも重要です。
受験も大事ですが、大学は入学後の授業にしっかりついて行くことができるかが問題になります。
入学して終わりではないため、卒業までを見越した大学選びを行ないましょう。
自分の学力、スキル向上を目的に偏差値の高い大学を選ぶ人も少なからずいます。
偏差値の高い大学の方が良い環境で勉強できるため、研究医など目指していない場合でも学力に自信がある人は1つの選択肢として挙げても良いかもしれません。
国内では医師不足が続いており、特に地方では地域の過疎化と共に深刻化しています。
そのため地方では医学部の定員が増加されており、首都圏よりも合格しやすいのが特徴です。
医師不足の現在でも首都圏の医学部は人気が高く、それに伴い偏差値も上がります。
合格するのがさらに難しくなるため、首都圏でどうしても行きたい大学がない場合、住んでいる地域を優先的に候補に挙げると良いでしょう。
また、出身校関連の病院に勤務することが多いため、住んでいる地域で学校を選ぶと就職の際にもスムーズに進んでいきます。
医学部の志望校、決め方のポイントはまずは自分の学力、得意科目と苦手科目、これらの状況を知ることです。
苦手科目が多ければ全科目・全分野で高い学力が必要になる国公立は難しくなるため、得意分野で勝負できる私立を視野に入れて大学を選んでいくことになります。
私立で大学を選ぶ際にも、重視している科目によって選択肢が絞られていくため、まずは自分の学力と得意科目を把握していきましょう。
金銭面や家庭の事情などを考慮する場合、早めに大学を決め、それに合わせて対策を行なっていくことが必要です。
早い段階で志望校を絞ることができれば学力向上も見込めるので、医学部を目指すのであれば受験する1年以上前からリサーチしておきましょう。