医学部受験における化学の勉強方法と出題傾向をご紹介します

公開日:2021.09.27 更新日:2021.10.22

医学部受験では、一次試験の筆記が一番の山といっても過言ではありません。
ただでさえ難しい理系科目を、幅広く網羅的にこなせるようになる必要があるからです。

その中でも、化学は理論化学、無機化学、有機化学と3つに分かれており、勉強法が重要となってきます。

しかも、暗記だけではなく応用する力も必須となってくるため、厄介な科目ですが、他の人と差をつけられるともいえます。
ここでは、化学にフォーカスを当てて勉強法や注意点をお伝えしていきます。

 

医学部受験化学の特徴と出題傾向

まず、大学ごとの化学の問題傾向をご説明します。
もちろん、大学それぞれによって問題の傾向は異なりますが、ここでは大まかに国公立大学と私立大学と分けています。

まずは、国公立大学の化学です。
特に、東京大学をはじめとした旧帝国大学は化学の入試問題はトップクラスに難しいといわれています。
しかし、問題は一見難しいものの、これまでの履修範囲内の知識のみで解ける問題が多いです。

つまり、基礎知識や公理、公式をインプットするのはもちろんのこと、それらをどの場合に、どんな風に応用していくかを理解した上でアウトプットできるかを問う試験だといえます。
一捻り加えられてはいるが、そこさえ突破すれば後はすらすら解ける問題や、一捻りに加えて一定のテクニックを必要とする問題などが出されることがあります。

私立大学の化学は、国公立大学とは一風変わった出題方法をすることが多いようです。
一番の壁となるのが、高校の履修範囲以上の知識や公式を使わなければならない状況があることです。

これは知っているか知らないかで命運が分かれる問題といえます。
予備校や自習で身につけておく必要があるため、比較的難しい問題が多くなるようです。
教科書や参考書の隅々まで目を通しておかなければならず、手間のかかる問題です。

これらは理系学部を受ける際に必要となる化学の問題の分類です。
医学部の化学はどうなっていると思いますか?

実は、上記のような状況とほぼ変わりません。
大学ごとにはなりますが、理系学部で問題を共有している大学ならば同じ問題が出されています。
しかし、医学部には理系学部の中でもトップクラスの受験生が集まってくるため、常にインプットとアウトプットを繰り返し、応用の練習をしておく必要があります。

また、医学部独自の化学では穴埋め問題や論述問題が多く出題されることもあります。
論理的に間違いがないようにしておく必要があり、普段から意識的に学ぶようにしましょう。

 

医学部受験化学で問われる力

医学部受験をする上で、化学を解く際にはどんな力が必要になってくるのでしょうか。
ここでは、3つの観点から身につけておきたい力をまとめました。

まずは、確かな知識です。
必要な基礎知識、公理、公式を覚えておくことが全ての基本となってきます。
ただ覚えるだけではなく、何故その知識を今使うのか、他に関連する知識は何かなど、繋げて覚えておくと、問題を解く際にきちんと扱えるようになっていきます。
物理などに比べて知識で解ける問題が多いので、正確に覚えておくことをおすすめします。

次に、計算を正確にこなす力です。
酸塩基平衡と酸化還元反応、平衡の分野は計算量が多く大変な分野の1つですが、国公立大学や私立大学問わず頻出する問題でもあります。
計算を正確にするなんて基礎中の基礎と思われるかもしれませんが、受験の時は極度の緊張状態に置かれることになります。
その中で、何をどのように計算するか、その計算で扱う単位に変換できているかなどを分析しながら計算することになるのです。
本番はこれまで練習でどのようにやってきたかが露呈する機会なので、普段から意識的にケアレスミスを減らすようにしましょう。

最後に、論理的思考力です。
問題文はどういうものについて解き明かせと言っているのかを判断しなければなりません。
また、記述問題ではどの要素を解答に入れるべきかを吟味しながら書くことになります。
漏れなく抜けなく、必要な項目を取り入れながら理解しやすい文章を書けるようにする力は必須となります。

 

医学部受験化学の正しい勉強方法

最初に、化学には理論化学、無機化学、有機化学があると説明しました。
厄介なのが、1つの勉強法だけでは突破できない点です。
ここでは、3つそれぞれの勉強法のコツを伝授します。

理論化学は、化学を理解するための土台的扱いをされています。
つまり、ここでの知識をしっかりと身につけておかないと、無機化学や有機化学で失点してしまう恐れがあります。
理論化学は基礎知識や公式の暗記、計算が中心になっています。
そこで、それぞれの知識にはどんな体系があるか、どういう繋がりがあるのかを意識して覚えておくと、芋づる式に知識を理解することができます。
計算では、どの単位がどこにつくのか、その計算で何を出すのかを理解しておくことがコツです。

有機化学は、論理的な知識体系を作ることが重要になってきます。
例えば、有機物の構造などを取り扱うので、何でできているのか、どんな繋がりを持っているのかなど、関連させて覚えておくことがおすすめです。
インプットするだけではなく、自分でどこまで再構成ができるかアウトプットしてみると、理解できている範囲とできていない範囲が明確になりますよ。

無機化学の一番の難関は、暗記量の多さと言われています。
まず単純に覚える量が多いため、理論・有機と並行して勉強するのが難しいです。
ここでのコツは、知識をイメージとセットで覚えることです。
教科書や参考書に載っている写真と一緒に覚えたり、ノートに自分なりの図を描いてみたりするのもおすすめです。
「教科書の右上の図!」と思い出せるようになるまで覚えられれば、本番でも力を発揮できるおすすめ暗記法です。

 

医学部受験化学におけるよくある失敗

医学部受験をする方で、化学を学んでいる方はついつい応用問題を解こうとしてしまうことが多いってご存じでしょうか。
応用問題の経験を積むことは重要ですが、実はこのせいで受験を失敗してしまうことも。
ここでは他のことにも目を向けてみましょう。

応用問題を解く上で大切なことは何でしょうか。
もちろん、基礎知識ですよね。

基礎知識は暗記してしまう必要があります。
暗記作業は地味ですし、飽きてしまいます。
それに比べて、応用問題は難しく、頭を使っている感覚になれます。

これが応用問題に目が行きがちな理由ですが、落とし穴になることもあります。
試験本番は、普段の勉強よりも緊張します。
めったに緊張しないという方でも、自分の合否が関わってくる現場に行けば、手が震えるような緊張をするかもしれません。
その中で、自分の持っている知識だけを頼りに解答していくためには、地味な暗記作業をサボらないことが大切です。

応用問題の経験をたくさん積む勉強法も必要な場面もあるかもしれませんが、地味な暗記作業こそがそれを支えていることを忘れずに何度も繰り返して覚えていきましょう。

 

医学部受験化学の具体的な勉強の流れ

医学部受験を目指して化学を勉強するには、正しい流れで学んでいく必要があります。
ここでは、おすすめの勉強の流れ・勉強法をご紹介します。

まずは、言わずもがな知識の暗記です。
最初のうちは応用問題よりも、理論化学を中心に化学を解くための基礎をしっかりと定着させていきましょう。
これには2つの理由があります。

1つ目の理由は、有機化学や無機化学は理論化学に比べて暗記量が膨大だという点です。
理論化学も覚えることは多いですが、それは有機・無機に繋がる知識であるため、初めのうちに身につけておくと後が楽になります。
また、有機・無機は受験前に一気に詰め込んだ方が効率よく勉強していけます。

2つ目の理由は、学ぶペースは学校に合わせた方がお得だからです。
高校や予備校でも、まずは理論化学から学んでいくことになります。
同じペースで学んでいけば、テストなどがアウトプットの機会になります。

理論化学の暗記や練習が進んできたら、有機化学と無機化学の暗記に取り組みましょう。
一つの単元を終えたらすぐに問題演習に移ると、知識の定着につながります。
理論化学も常に知識の確認をして、知識の繋がりを意識しておくとベストです。

全分野に目を通したら、志望校も過去問を解いていきます。v
志望大学で過去どんな問題が出されたかを把握して、知識を厚くしておくべき箇所を見出してさらに暗記しましょう。

 

医学部受験化学のおすすめの参考書

勉強法は分かってきたけれど、どんな問題集を使えばいいのか悩んでいるという方は是非こちらを参考にしてみてください。
おすすめの参考書と問題集をまとめました。

まず、理論化学の参考書のおすすめは「エクセル化学総合版」です。
網羅的に化学で必要な知識がまとめられているため、これ一冊を徹底的にやれば合格することも不可能ではないと言われています。
基礎知識の習得や、基本的な出題を学ぶ上でおすすめです。

イラストや図で暗記をしていきたい方には、「宇宙一わかりやすい化学」もおすすめです。
その名の通り、「宇宙一わかりやすい」ことにこだわり、豊富なイラストと分かりやすい例をふんだんに用いた参考書です。
理論・有機・無機それぞれの知識をまずはざっくり見ておきたいという方に人気です。

問題集では、「化学 標準問題精講」がおすすめです。
ここで惑わされないようにして欲しいのが、「標準」という設定の仕方は「上位国公立大学の入試において、最低合格点をとるために完答する必要がある」というものです。
つまり、基礎以上に難しいということです。
基礎をしっかり固めた方向けですが、様々な問題が収録されているため、問題を解く上での経験を蓄積できます。
解説も詳しいため、何故その解答になるのかをきちんと理解することができ、おすすめです。

もっと問題を解きたい方は、駿台の「スタンダード問題230選」もおすすめです。
こちらも「スタンダード」といっているものの、基礎以上に難しい問題があります。
しかし、「化学 標準問題精講」よりは比較的簡単なため、基礎を終えたばかりの方はこちらを使ってみると良いでしょう。

 

まとめ

ここまで、医学部受験をする上で必須の「化学」について解説をしてきました。
物理などと異なり、理論・有機・無機それぞれの知識が必要で、暗記量も膨大なため難しいと思われるかも知れません。
しかし、正しい勉強法とテキストを使いこなせば、一気に得点源にすることができます。

まずは、参考書などで自分がどこまでできていて、どこが理解できていないのかを把握しておきましょう。
そこから計画をたてて適切な勉強法を実践していきましょう!
そうすれば、医学部合格もぐっと近づいてきます。

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