目指せ医学部合格!物理の勉強法をご紹介!

公開日:2023.09.14 更新日:2023.10.13

医学部志望で物理を選択したものの、なかなか勉強が進まない、苦手意識を持ってしまっているという方も少なくはないでしょう。

しかし、物理を学んでいく上でのポイントを理解し、勉強を進めていけば、実は高得点が狙える科目です。

物理の勉強法、おすすめの問題集をご紹介するので、ぜひ活用してみてください。

学べば学ぶほど理解が深まり、面白くなってくるのが物理の魅力です。
医学部合格まで突き進んでいきましょう!

医学部受験物理で問われる力

医学部受験を目指し、物理を学んでいく上で必要となってくる力をまとめました。
このポイントを知れば、よい結果が現れてくるはずです。

じっくり考える力

物理を学び、実際に問題を解いていく上で大切なのが、じっくりと考える力。

これまでに他の教科の勉強で、暗記型の勉強方法や速く読む・解くトレーニングを試してきた方は、物理ではそのような勉強法ではうまくいかない場合があるということを知っておくことが必要です。

物理は多くの場合で1問を解くのに時間がかかるもの。
すぐに答えを出そうとせずに、問題の条件やグラフなどをしっかりと読み取り、その上で、図や数式などを書いてみて、考えを深めることが大切です。

そのためには、これまで学んできた公式を使って終わりではなく、メモを取りながらじっくり考えます。

毎回しっかりと図や数式を書いて考える癖をつけることで、図の書き方、式の立て方にも慣れてき、最終的に求めなければならない答えへと行きつきやすくなるでしょう。

楽しみを実感できるまで継続する力

物理に対して難しいというイメージを持っている人も多いでしょう。

化学や生物の基礎となる学びは、小中学校の理科で学ぶことも多いですが、物理の場合は高校生で初めて触れるものも多いからです。

最初は、慣れず難しく感じるかもしれません。
しかし、物理は勉強を続けていくと急に点が伸びるようになる時期がくると言われています。

その山を乗り越えれば、理解も深まり、どんどん面白くなってくるはず。

物理を難しいと決めつけてしまっている方の多くは、はじめの段階で諦めの気持ちが出てしまっている可能性が高いです。

難しいと感じてもすぐに諦めるのではなく、物理を楽しめるようになるまで、勉強を続けてみてください。

まずは教科書レベルの基礎から、着実に学んでいきましょう。

医学部受験物理の特徴と出題傾向

医学部受験で物理を選択する場合は、志望する大学の出題の特徴、傾向を把握した上で対策することが必要です。

志望校が決まっているのなら、数年分の過去問に目を通しておくことがおすすめ。

反対に、志望校がまだ定まっていなくても、興味のある医学部があれば早いうちに物理の出題傾向を知っておくことで、その後の志望校選択に役立ちます。

闇雲に物理を全て学んでいくには効率が悪いので、医学部ごとに、物理の出題傾向や勉強法が異なるということを理解し、リサーチを始めましょう。

国公立大学医学部

国公立大学医学部を目指す場合、第一関門が大学入学共通テストで、その後に各大学の個別試験(二次試験)を受けることになります。

国公立大学の大学入学共通テストでは物理が必須の医学部はないので、他の理科科目を選択することも可能です。

しかし、国公立大学の個別試験では「物理必須」や「物理・化学必須」の医学部があるので、志望する国公立大学によっては、個別試験までを見据えて物理を学んでいく必要があります。

個別試験で物理必須の国公立医学部は、北海道大学、群馬大学、金沢大学、名古屋市立大学、愛媛大学、九州大学の7大学です。

物理を自分の強みにしていきたいのなら、これらの医学部校を選択すると良いでしょう。
ただし、北海道大学以外の6大学については、個別試験で化学でも得点できる能力が求められますので、化学の対策も並行して行わないといけません。

国公立大学の物理の試験では、力学と電磁気学がほとんど毎年出題されています。
それに加えて、熱または波動の分野からも出題され、大問3問の構成が多いです。

そのため、特に力学と電磁気に重点を置いて対策することで得点しやすくなります。
そして、出題頻度は多くないものの、熱またが熱動分野もしっかりおさえておく必要があるということです。

なお、原子の分野が出題される大学は限られており、札幌医科大学、東京医科歯科大学、京都府立医科大学の3校のみです。

私立大学医学部

私立大学では物理が必須の医学部はありません。
どうしても物理が苦手という方は生物を選択するのもひとつの手段でしょう。

物理を選択する場合、大学によってその出題傾向や出題方式はさまざまなので、興味のある私立大学は過去問をチェックしておくことが重要です。

難問が出される大学、処理速度が求められる大学など、出題傾向をリサーチしておきましょう。

国公立同様、原子の分野が出題される大学は限られていますが、例えば、慶應義塾大学医学部は原子の分野が出題され、難問・奇問が出ることで知られています。

また、自治医科大学医学部は原子以外の分野から満遍なくマークシート方式で出題されます。

このように、大学ごとの特徴を把握した上で、志望校選択することも医学部合格のための戦略で必要です。

医学部受験物理の勉強方法

医学部受験で物理を選択するなら、その勉強法をおさえておきましょう。

教科、科目によって勉強のコツや取り組み方は異なります。物理を攻略するにはどうすればいいのでしょうか。

まず力学をおさえる

物理は「力学」「電磁気学」「波動」「熱力学」「原子物理」の5単元に分かれています。

その中でも、得意不得意を感じる単元は人によって異なるでしょう。
全てを完璧に学ぼうとしては、時間がいくらあっても足りません。

物理で特に重要なのが「力学」と「電磁気学」。
この2単元は全ての大学で確実に出題されると言っても過言ではありません。

また、「力学」と「電磁気学」は深く関係しており、「力学」が理解できていないと「電磁気学」のほうの理解が難しくなります。

そのため、「力学」の基礎固めからやることが必要です。

全範囲の基礎をしっかり

「力学」「電磁気学」が重要だと言いましたが、これらの基礎をおさえることができたら、他の単元もしっかり基礎までは全範囲終わらせるようにしましょう。

「波動」「熱力学」は、どの順番で取り組んでも構いませんが、「原子物理」に関しては、出題される医学部は限られているので、最後にします。

物理は、実は覚えることは多くない科目のため、4単元の基礎・標準レベルの問題に徹底的に取り組むことが大切。

また、できるだけ早く基礎固めに取り組んでおくことで、余裕をもって発展問題に取り組めます。
浪人生は7月中旬まで、現役生は10月の頭には全ての基礎を終わらせておくとよいでしょう。

その後は、志望校対策に取りかかりましょう。

基礎が固まったらスピードもつける

物理の問題には、難問・奇問と呼ばれるものがあり、実際の入試に出ることもあります。
こうした問題には時間をとって、じっくり考えることが必要です。

この時間を確保するためには、基礎的な問題に時間をかけてはいられませんので、基礎問題を解くスピードを早くしなくてはいけません。

スピード力をつけるには、やはり標準レベルの問題を繰り返し解くことが大切です。

基礎固めができてきたら、今度はその問題を解く時間にも気を配り、スピード力を上げていきましょう。

医学部受験物理の勉強ポイント

医学部受験という目標の中でも、人によって進学先や受験方法は異なります。
目指すゴールに合わせて、勉強のポイントをまとめました。

共通テスト対策

国公立大学医学部受験で必須になるのが大学入学共通テストです。
全ての教科で満遍なく得点しなければならないため、物理で足を引っ張るようなことにならないようにしましょう。

また、私立大学医学部でも、入試方式によっては共通テストが必要ですので、志望校の入試方式の確認し、必要に応じて対策しましょう。

国公立・私立いずれにしても、物理の基礎をしっかり学んでおくことが、共通テスト対策に直結します。

共通テスト対策としては、基礎問題、標準レベル問題を繰り返しやることが大切です。

教科書と問題集をどちらも持ち歩くようにして原理を理解した上で問題が解けるようになりましょう。

ただ、公式の暗記をして、当てはめて解こうとするのはよくないので、原理がわからないと感じたら教科書に戻って、理解を深めると良いでしょう。

暗記すべき数式はいくつかありますが、確実に覚えなくてはならない10程度の公式を確実に理解することがポイントとなります。

闇雲に覚えようとするのではなく、ポイントをしぼって、原理と共に暗記すると良いです。

こうして、繰り返し問題を解くことがただの処理作業になるのではなく、理解を深めた上でのスピードアップにつなげていくことを目指して、日々学んでいくことがポイントです。

また、物理の内容は複数の分野でつながっているものなので、ひとつでも苦手な分野ができてしまうと、他の分野も理解が進まなくなってしまうことがあります。

そのため、物理では一気に覚えようとするよりも一つひとつの事項を理解することを重視して、あやふやなところがあればすぐに復習して解決するようにしましょう。

さらに、志望校のレベルに合わせて、自らの目標点数を認識しておくことも必要です。

共通テストの物理は満点が狙える科目ですので、ここで無駄な失点をしないよう、意識を高めておかなくてはいけません。

国公立二次試験対策

共通テスト対策を通じて、基礎的な力をしっかりとつけておいた上で、いよいよ国公立二次試験対策です。

国立大学は、他の理工系学部と同じ問題が出題されるため、私立大学医学部のような独特のひねりがきいた問題は少ないと言われています。

そのため、焦って過去問に取り掛かるより、市販の問題集をしっかり仕上げるのがポイントで、その上で、過去問もチェックしておきましょう。

物理の記述答案は、ポイントをはずさずに考察過程や結論が明確にわかるように記述することが求められています。

実際に試験では、短い時間で簡潔にポイントをついた表現をすることが求められますが、それは想像以上に難しいことです。

さらに、解答用紙の大きさ、制限時間などとの関係を考えながら、答案を整理して書かなければなりません。
時間も解答欄も足りなくなってしまうという最悪の自体に陥ってしまいます。

本番と同じように付属の答案用紙を使用して過去問を解くことは、論述答案の書き方のポイントを的確に得ることや、限られた時間の中で問題をどう処理していくのか、記述式解答の途中過程の記述をどの程度の量書くべきなのか、あらゆる面でとてもよい勉強になります。

問題集には物理の論述問題を扱ったものは少ないので、志望校の過去問題集を全てやってしまった場合は、傾向が似ている医学部の過去問題集を有効活用していきましょう。

例えば、地方国立志望なら、中堅私立大学医学部レベルの問題集を活用するのがおすすめです。

私立大学対策

私立医学部入試では、出題傾向・形式は千差万別で、学校ごとにカラーが異なることを理解した上で、志望校を定めることが必要です。

難問・奇問を出題する大学もあれば、比較的簡単な問題で高得点を求める大学もありますし、問題数が多くスピードを重視する大学もあれば、少ない問題数でじっくり答えさせる大学もあります。

一般的には、私立大学医学部の物理は、市販標準レベルの問題集とはちょっと違うひねり方をしている大学がほとんどです。

例えば、藤田保健衛生大学は、物理の本質を理解していないと解けないような問題が多く並んでいます。

このように、様々な出題の仕方をする私立大学がある中で、志望校を定めるためにも過去問に目を通しておくことが非常に重要となってきます。

大学の出題傾向が特徴的である一方、受験生一人ひとりの問題の解き方やスピード、得意・不得意分野はそれぞれでしょう。

たとえ偏差値が同じでも学力特性によって合格判定は異なってきます。
私立医学部の模試などを活用し、自分に合った私立医学部を見つけた上で、対策していくのがおすすめです。

医学部受験物理でおすすめの参考書

医学部受験物理の勉強をしていく上でおすすめの参考書をご紹介します。
現在の自分のレベルや志望校に合わせて、選んでみてください。

基礎固め向け参考書

橋元の物理をはじめからていねいに 力学編/波・波動・原子編/電磁気編

出版社 ナガセ
レベル 教科書レベル
おすすめの人 基礎固めをしたい人
物理を初めて習う人

教科書で受験問題に出そうな所を絞ってまとめられており、イラストが多く、詳しい説明がわかりやすいことが特徴。

独学で教科書レベルの知識を進める際に、この問題集を使うと理解がしやすいです。
教科書の予習や復習にも活用できます。

単元別で3冊あるので、まずは力学編から取り組んでいきましょう。

物理のエッセンス 力学・波動/熱・電磁波・原子

出版社 河合出版
レベル 教科書レベル
おすすめの人 基礎固めをしたい人
物理に苦手意識がある人

教科書と並行して進めていくのがおすすめの参考書。
基礎的な問題で構成されているので、教科書の内容の実践や復習にぴったりでしょう。

基本の解法の理解、習得ができるようになるので、物理が苦手だと感じている方でもとっつきやすい参考書です。

標準レベル参考書

良問の風

出版社 河合出版
レベル 標準
おすすめの人 基礎固めは終わった人
中堅医学部を目指す人
入試レベルの問題を解けるようになりたい人

基礎レベルよりやや難しめで、「物理のエッセンス」、後に紹介する「名門の森」の中間レベルの問題が集まっています。

1つひとつの問題の解説が丁寧なので、深く理解できるのが特徴です。

志望校のレベルに合わせて、繰り返し解く参考書として使用するとよいでしょう。

名問の森 力学・熱・波動1 / 波動2・電磁気・原子

出版社 河合出版
レベル 標準(難関医学部を目指す方向け)
おすすめの人 易しめの問題集はクリアできた人

良問の森より難しく、難関大学を目指す方にとっての標準問題集です。

この問題集を繰り返し解けば、受験で出題される問題のほとんどに対応できと言っても過言ではありません。

問題のヒントも書かれているので、それを隠しながら、参考にしながら、など自分のレベルに合わせて様々な勉強法で問題に取り組むことができます。

解説が丁寧でわかりやすいのも特徴です。

難関医学部向け応用参考書

新・物理入門

出版社 駿台文庫
レベル 難関医学部レベル
おすすめの人 東大・京大の医学部の難問レベルを解けるようになりたい人
物理を深く学びたい人

タイトルに「入門」と付いていますが、決して入門レベルではありません。

数Ⅲの微分積分を使って公式の解説をするなど、大学生が学ぶアプローチから解説がされていますが、暗記で対応していた部分も理解できるようになるでしょう。

現時点で、物理で高得点を狙える人は不要になるかもしれませんが、公式などもしっかりと理論を理解した上で問題をつけるようになりたい方にはおすすめです。

難問題の系統とその解き方物理

出版社 ニュートンプレス
レベル 最難関医学部レベル
おすすめの人 難問も解けるようになりたい人
苦手教科の克服は終わったので物理でさらに高得点をとりたい人

東大・京大・私立難関医学部などを目指す方向けで、物理の問題集で一番難しいと言われているほどで、演習問題は難しく、癖のあるものも多いです。

物理で高得点を稼ぎたい場合、苦手な分野に絞って演習を重ねたい場合、などに活用できます。

全てをやろうとするのではなく、例題のみ使うのもよいでしょう。

ただし、難関大学を目指さない場合には、無理に手を出す必要はないので、自分のレベルに合わせた勉強法が大切です。

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