医学部のある関西の大学を紹介:滋賀医科大学

公開日:2023.08.31 更新日:2023.09.22

医者になるために医学部入学を目指す場合、試験対策の勉強はもちろん、志望校の選定、分析も非常に大切です。

関西の医学部志望の方向けに、滋賀医科大学の情報をまとめました。
どんな学科、特徴があり、将来はどんな場所で働く人が多いのでしょうか。

また、入学試験を突破するためにはどのような対策をしていくべきなのか、具体的にお伝えしていきます。

滋賀医科大学の特徴

「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学」がモットーである滋賀医科大学は、高い専門技術と確固たる倫理観を備え、科学的探究心を有する医療人及び研究者を養成しています。

サステナブルでアトラクティブな大学として、「創造(Creation)・挑戦(Challenge)・貢献(Contribution)」という3つの目標(3C)を掲げています。

2024年に開学50周年を迎える比較的新しい大学で、1974年に一県一医科大学の構想に基づいて設立されました。

様々なバックグラウンドを持つ学生が集い、滋賀が地元の方はもちろん、全国から学生が集まっています。

50周年を迎えるにあたって、老朽化した中庭をリニューアルするなど、学生、教職員、卒業生が集い、地域の人ともつながることができるような場所にしようと計画されています。

忙しい医学部生活においての憩いの場として活用できることでしょう。

「THE 日本大学ランキング2023」の分野別ランキング「教育リソース」で271大学中第8位であり、学生一人ひとりに対し、あたたかく手厚い教育・研究環境があることがわかります。

また、ランキング「THE インパクトランキング2023」の「SDGs3 全ての人に健康と福祉を」では、世界1218機関中第16位、国内70大学中第2位で、SDGsの達成に繋がっている地域における健康・福祉の促進への寄与が評価されています。

滋賀医科大学の学科情報

滋賀医科大の医学部には医学科と看護学科があります。
それぞれ見てみましょう。

医学部 医学科

特徴

滋賀医科大学は、滋賀県で唯一の医学部で、豊かな教養や確かな倫理観、高い専門的知識を有し、滋賀県内はもちろん、世界で活躍できる医療人を育成しています。

そのために、日々学んでいける環境、カリキュラムを整え、特色のある医学研究や質の高い先進医療研究を実践しているのです。

卒業のためには一般教養、基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学に関する所定の単位を取得し、十分な専門的知識、技能、倫理観を身につけなくてはいけません。

このように滋賀医科大学では医者としての専門知識や技術を備えた上で、協調性を持ちチーム医療に携わり、地域貢献や国際社会に貢献していける人材になることが求められています。

就職先の傾向

国家試験合格率(2022年)は、医師95.6%で、全国平均91.6%を上回る数字となっています。

そして、卒業後に滋賀県内で医師となっている方は36.5%です。
6割以上は他県や海外で医師として働いていたり、研究者になったりしているということです。

地域に根ざした大学でありながらも、幅広い選択肢があることがわかります。

医学部 看護学科

医学部看護学科の特徴や就職先の傾向についてもご紹介します。

特徴

看護学科では、豊かな人間性、幅広い教養と倫理観に基づいた専門知識を身につけること、広く人々の健康生活を支援する看護を実践できる能力を育成しています。

看護専門職に対する社会的ニーズは時代や社会情勢などとともに変化していくことから、高い看護実践能力の取得や看護研究能力の向上を目指し、学士力を強化するための科目も展開しているということです。

1・2年次には、一般教養・外国語科目、専門基礎科目、専門看護科目、医療の倫理を体系的に学びます。

さらに、3年次に開講する3つの課程があります。

希望者は、以下の課程に進み、深く専門的知識・技能を身につけ、看護師以外の国家試験に挑戦することも可能です。

ただし、成績や選抜試験などによって、専門課程に進めるかが決定されますので、1・2年次に目標に沿ってしっかりと日々学んでおく必要があります。

1) 保健師課程
人々の健康で文化的な生活を営む権利を保証するために、保健師として主体的な公衆衛生看護活動ができるようになります。保健師国家試験受験資格の取得ためには必修の課程です。

2) 助産師課程
助産ケアの実践、分娩介助などの周産期医療においての助産師やウィメンズヘルスの支援ができるようになります。助産師国家試験受験資格の修得ためには必修の課程です。

3) 地域医療実践力育成コース
訪問看護師の育成を目的としたコース。地域医療を深く理解して、地域包括ケアを担う看護専門職として支援できるようになります。

就職先の傾向

看護師の場合も国家試験合格率が98.3%(全国平均90.8%)、保健師100%(全国平均93.7%)、助産師100%(全国平均95.6%)といずれも非常に高い合格率を誇っています。

そして、卒業後に滋賀県内で看護師となっている方は48.3%で、県内での就職と他県や海外などでの就職が半々です。

滋賀医科大学の入試情報

医学部医学科、看護科それぞれの入試の種類、試験内容等についてご紹介します。

医学部 医学科

入試の種類

入試の種類(一般選抜と)と定員は以下の通りです。
なお、滋賀医科大学では医学部学士編入も実施しています。

学科名 一般枠 地域医療枠 学校推薦一般 学校推薦地元医療枠
医学科 53 7 26 9 95

試験内容

大学入学共通テスト、個別学力検査、面接、調査書を実施。

ただし、面接の段階評価が所定の基準に満たない場合は不合格となり、総合点が同点の場合の合格者決定は大学入学共通テストの成績の上位者を合格者とします。

大学入学共通テストに関して、医学科は5教科7科目900点満点で判断します。

教科 科目 科目数
国語 国語 1
地理歴史・公民 世界史B、日本史B、地理B、倫理及び政治・経済 から1科目選択 1
数学 数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B 2
理科 物理、化学、生物から2科目選択 2
外国語 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目選択 1

個別学力検査は、数学、理科、外国語、その他に分けられており、詳細は下記の表をご覧ください。
その他は個人面接とグループワークです。

教科 科目
数学 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B
理科 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目選択
外国語 コミュニケーション英語Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅱ、コミュニケーション英語Ⅲ、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ

医学部 看護学科

入試の種類

入試の種類と定員は以下の通りです。

学科名 一般枠 地域医療枠 学校推薦一般枠 学校推薦地元医療枠
看護科 40 5 10 5 60

試験内容

大学入学共通テスト、個別学力検査、面接、調査書を総合して行います。
ただし、面接の段階評価が所定の基準に満たない場合は、不合格となり、総合点が同点の場合の合格者決定は大学入学共通テストの成績の上位者を合格者とします。

大学入学共通テストに関して、看護科は5教科5科目または、6科目700点満点で判断します。

教科 科目 科目数
国語 国語 1
地理歴史・公民 世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、倫理及び政治・経済 から1科目選択 1
数学 数学Ⅰ、数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ、数学Ⅱ・数学Bから1科目選択 2
理科 物理基礎、化学基礎、生物基礎から2科目選択
又は、物理、化学、生物から1科目選択
2又は1
外国語 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目選択 1

個別学力検査は小論文、グループ面接です。
小論文では、英文を含む資料を使ったもので、理解力、思考力、表現力を評価するものとなっています。

出願方法

一般選抜、編入学入試ともに出願書類は滋賀医科大学公式HPより資料請求します。
推薦書のフォームは日本語、英語用がありHP上で確認可能です。

学校推薦型選抜に関する情報は例年9月上旬、一般選抜に関する除法は例年11月上旬に公表します。

滋賀医科大学の所在地

〒520-2192
滋賀県大津市瀬田月輪町

アクセス

【車、タクシー】
JR瀬田駅よりタクシーで約10分(運賃約2,000円)

【電車、バス】
JR瀬田駅よりバスで約15分(運賃260円、1日約100便運行)
JR南草津駅よりバスで約15分(運賃320円、1日約20便運行)

バス停 「医大西門」、「滋賀アリーナ」、「大学病院」のいずれかで降車。

まとめ

滋賀医科大学は、滋賀県の国立大学法人です。
地域の医療の中核となる存在であり、地域に根ざしていながらも、多様な人材を求めています。

そのため、将来的に滋賀県で医療に携わる方もいれば、他県や海外に羽ばたく医師、看護師もいます。

対外的評価や満足度も高い医学部なので、医者になるという夢を目指して切磋琢磨できる仲間と出会えるはずです。

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