国公立と私立、どちらを受けるべき?医学部の違いについて確認しよう

公開日:2023.10.23 更新日:2023.10.23

医学部受験を考える際、国公立大学と私立大学を受けるか悩んでいる方も少なくないでしょう。

国公立大学と私立大学の医学部は学習環境の違いによって得意とする分野や目指しやすい医師が異なるため、詳細を把握することが重要となります。

国公立大学と私立大学の詳細な違いから、どちらを受験する場合でも最適な対策ができる医学部予備校をご紹介していきます。

自身に合う大学と予備校を決める際に参考にしてみてください。

国公立大学医学部の特徴

まずは国公立大学の医学部の特徴についてご紹介します。
同じ医学部でも私立大学とは大きく異なる部分が多々あります。
把握しておくべき5つの項目に分けているので、私立大学との違いを比較していきましょう。

運営と資金源

国公立大学の運営元は国や地方自治体であることから、学校設立や学習環境が一律で決まっているのが特徴です。

さらに、国立と公立でも異なる部分があります。

国立は国が母体で、国立大学法人が設置している大学を指し、一方で、公立は地方自治体が母体で、公立大学法人が設置している大学です。

国立は国税、公立は地方税が主な資金源となっています。

カリキュラム

大学の医学部は基本的にモデルコアカリキュラムに従っていますが、大学によって異なる部分も多々あります。

国公立大学の6年間の学習内容は、一般教養、基礎医学、社会医学、臨床医学です。
1年次は一般教養中心で2年次から専門科目を学ぶといった学習スケジュールが特徴で、座学と研究がメインとなります。

国公立大学でも1年次から専門科目を学ぶ場合もあるので、各大学サイトなどで詳細を確認しておくことが重要です。

研究活動

設備が充実していることで研究に力を入れることができ、大きな研究成果を得やすいのも国公立大学の特徴のひとつ。
そのため、国公立大学では研究医が多く輩出される傾向です。

生理学や解剖学などの人体に関わるものや病気のメカニズムに関わる医学の根本的な研究を行い、研究を通して患者に対し新しい治療法をもたらしていきます。

臨床研究では患者と触れながら、新薬の効果測定や新しい治療方法の考案など行います。

新しい医療技術の確立や実用化に向けて活動していくのが特徴です。

入試

国公立大学の一般入試は一次試験と二次試験で分かれています。
一次試験の共通テストで一定基準を超えなければ二次試験を受けることができません。

一次試験は国語、英語、数学、理科2科目、社会の5教科7科目が基本です。

二次試験は各大学での個別試験で、英語、数学(ⅠA、ⅡB、Ⅲ)、理科(物理、化学、生物)から2科目選択して受けることになります。

これに加えて面接試験も実施されることが多いです。
後期日程では学科試験の代わりに小論文が加わることもあります。

共通テストで必要となる受験科目はほとんどの大学基本的に同じですが、個別試験の難易度や出題傾向は大学によって異なるため、把握してしっかりと対策することが重要です。

学費

国公立大学の医学部は学費が安いことも特徴で、受験料、入学金、授業料、施設設備費の6年間を合計しても約350万円となります。

通常の大学よりも高いとされる医学部の学費ですが、国公立大学では国や地方自治体が運営しているため、学費の一部に税金が使用されます。

学生の負担分が軽減されていることで学費が安くなるのがメリットです。

私立大学医学部特徴

私立大学医学部の特徴を見ていきます。
国公立大学と異なる部分と照らし合わせながら、私立大学のメリットを確認しましょう。

運営と資金源

私立大学の運営は企業や学校法人。
学校法人は私立大学の設置を目的とした法人のことです。

主な資金源は学生から得られる授業料などの納付金で、資金源の1割ほどが国からの補助金となります。

補助金というのは、私立大学等経常費補助金と呼ばれる文化省管轄の特殊法人から与えられるもので、教員数や学生数などに応じた基準額の一般補助と教育研究に関する取り組みに応じた特別補助があります。

カリキュラム

国公立大学と同じく、医学部はモデルカリキュラムに従っていますが、国公立大学と異なり私立大学ではあまり一般教養に力を入れていないことが多いです。

6年間で学ぶことは基礎医学、社会医学、臨床医学が主となっており、1年次から専門科目を学びます。
より早く実践的な医学を学ぶ場合に私立大学を選択することも多いです。

私立大学のカリキュラムは臨床がメインで、患者に対応するスキルを学んでいきます。

実際に医療現場に立った時に適切な対応ができるように、一般の人に来校してもらい患者として接する臨床実習を中心に行っていくのが特徴です。

研究活動

私立大学によっても変わりますが、傾向としては臨床医の養成に力を入れているため、患者と接する機会が多いことで得られる様々な情報から新しい治療法や新薬を開発していく活動がメインです。

患者の血液や尿、便、組織などを採取して、病気の有無などを把握していく検体検査や、心電図やエコー、脳波を調べ、身体状態を把握する生理機能検査など行っていきます。

入試

私立大学の入試は受験科目数が少ないのが特徴です。

一般入試の学科試験は英語、数学、理科2科目の3教科4科目が主になり、それに加えて面接と小論文が一般選抜の基本となります。

共通テスト利用形式を実施している大学では、英語、数学、国語、理科2科目が主流です。
共通テスト利用形式でも、小論文と面接、学科試験を行う場合があります。

学費

私立大学の学費は大学が自由に設定しています。
受験料、入学金、授業料、施設設備費を6年間で合計した相場は約2000万円から4000万円です。

医師が増えすぎると医療の質が低下する可能性があり、国によって医学部の学生の数は制限されているので、全国のどの大学でも100人ほどが定員基準となっていることが多いです。

そのため、税金で設備の一部を負担されない私立の大学では、少ない学生数から授業に必要な設備費用を調達しなければなりません。

医療に関連する教育設備や備品は高額なものが多く、私立大学では学費が高くなる傾向にあります。

国公立医学部と私立医学部、どちらを選ぶか

国公立医学部と私立医学部を選ぶ際、受験者自身が何を目的にして、どのような道に進みたいかが重要になります。
各医学部のメリットを見ながら、向いている大学がどちらか確認していきましょう。

目標から決める

医学部を決める際に最も注目するべきなのがどのような医師を目指すか、どういった医療関係の職に就きたいかが重要です。

国公立大学と私立大学は得意とする分野が異なり、それに伴ってなりやすい医師も異なってきます。

研究医になりたい人

研究医を目指す場合は国公立大学を選択すると良いでしょう。
私立大学よりも研究の環境が整っているため、国公立大学の卒業後の進路では研究医が多いのが特徴です。

将来的に大学の研究施設で研究に専念したい人は国公立大学を目指しましょう。

臨床医になりたい人

臨床医は国公立大学、私立大学のどちらも目指しやすいことが特徴です。

国公立大学では研究医を目指す人も多いですが、私立ではあまり力を入れていない一般教養を1年次に学んで行くため、研究メインの環境でも臨床医を目指すことは可能となります。

私立は臨床をメインとする大学が多いため、授業で実際の診察や医療現場の実習が多く、臨床医に必要不可欠なことを多く学べます。

開業医を目指したい人

開業医は私立を卒業した後の進路で多く見られます。
私立は臨床に力を入れている大学が多いため、患者に触れ合う実践や経験を積むことができます。

個人で診療所を経営する開業医を目指す際に必要なことを多く学べるため、私立の医学部に通うことで開業医の道に進むことも可能です。

学費から決める

国公立大学と私立大学で大きく異なるのは学費です。
6年間の学費は、国公立大学で約350万円、私立大学で約2000万円から4000万円と大きく差があります。

国や地方自治体が運営している国公立大学は設備費も税金でまかなうことができます。
そのためどの大学でも設備を一律で充実させることが可能です。

私立大学は企業や法人が資金を調達することになり、必ずではありませんが設備が充実している大学ほど高額になっている傾向にあります。

家庭の収入の関係で高い学費を払うことができない場合は国公立大学が選択しやすいといえるでしょう。
私立大学でも奨学金制度を利用することで負担を軽減することが可能です。

また、私立大学の中でも比較的学費が安い大学を狙うことで負担を軽減する方法もひとつでしょう。

入試科目から決める

国公立大学は、共通テストで国語、英語、数学、理科2科目、社会の5教科7科目の対策が必要となり、個別試験は大学によって入試科目が異なりますが、基本的に面接が実施されます。

一方、私立大学は英語、数学、理科2科目の3教科4科目と面接・小論文が主流パターンとなっています。

入試科目が多いほど対策にかける時間が必要となり、勉強の負担も大きくなります。

国語や社会が苦手な場合、入試科目にない私立大学を選択することで医学部への入学ハードルを下げることが可能です。

なお、国公立大学でも二次試験の科目が少ない大学や共通テストの配点が低い大学もあります。
その他入試科目についてはこちらで解説しています。

学力から決める

医学部は高い学力が必要になる分野ですが、国公立大学は特に高い学力が求められることが多いです。

高度な医療や研究を行っている大学では入試の難易度が高くなるため、受験する場合は並大抵の努力では足りない可能性もあります。

高い目標を立てていない場合、自身の学力に合った医学部を選ぶ方が合格率は上がります。

受験する私立大学の医学部によっては、入試難易度はやや下がりますが、必ずしも国公立医学部の難易度が高く、私立大学の医学部が低いわけではありません。

逆に、選ぶ大学によっては国公立大学の方が私立大学よりも入試難易度が低い可能性もあるため、大学の偏差値など確認して選ぶのも手段のひとつです。

国公立・私立問わず最適な対策ができる予備校3選

国公立医学部と私立医学部、どちらにも対応して対策ができる予備校をご紹介します。
厳選した3校の特徴や情報を比較して、自身の最適な進路と予備校を見つけていきましょう。

医進の会


医進の会は医学部受験に特化した予備校です。医学部受験に精通したプロの講師との1体1の個別指導で学力向上を目指します。

カリキュラムやテキストは、生徒の要望を聞いたオーダーメイドで作成するのも医進の会の特徴。
本人の希望や学力を考えて独自のテキストを作成し、入試までのカリキュラムを組上げていきます。

授業は1コマ2時間で講義、演習、解説の流れで行われます。個別指導なので質問もすぐにできるので、苦手を徹底的に克服することが可能です。

集団授業では小論文と面接対策もレギュラーの授業としてあり、別途料金が発生しないことが特徴です。

各生徒の受験校を把握して、それぞれに合った対策を行います。
学力だけでなく、面接や小論文などアドリブが必要になる試験への対応力もこの予備校で身につけることが可能です。

医進の会では1人の生徒に対し40名の講師陣がフォローしてくれます。
自習ブースにチューターが常時勤務しているので、授業以外の時間にも質問を受け付けるなど徹底したサポートを実現しています。

講師は採用から厳しい審査を通った医学に精通した一流の人ばかりです。
学習だけでなく精神面や体調面、生活面もアシストして合格まで導いてくれます。

メビオ


メビオは医歯学部進学専門予備校で、少人数の集団授業で1人の担任講師が1クラス数名に対し授業を行います。
周囲に他の生徒がいることで競争意識が働き、個別とは違った学力向上の相乗効果も期待できます。

メビオは専用療があり、他府県の人でも夏期や冬期講座に通うことが可能です。
食事も栄養士が考えたメニューで学習に集中できるように体調面から徹底的にサポートしていきます。

医歯学に精通した講師が生徒に合わせたオリジナルテキストを作成し、集団授業でも生徒の希望に添った授業を行うことも特徴のひとつ。

1コマ3時間半と長い時間を設けることで、集団授業でも各生徒のわからない部分を徹底サポートしてくれます。

自習室の隣には講師ブースがあり、常勤講師がいるため授業以外でのサポートもばっちりです。

MEDiC


MEDiCは少人数制の予備校で、医学部を現役合格するための学習環境が整っているのが特徴です。
各生徒に合うように細かいコース分けできる授業を行い、各大学の入試問題に対応できるようにサポートしていきます。

講師の質も高く、共通の指導法を身につけているため、クラス替えを行っても授業内容の解釈が変わることがないのも特徴です。

授業内は録画されているので、欠席しても後にDVDで見返すこともできます。
集団授業のデメリットである欠席の際の授業の遅れにも対応しているので、安心して入試対策を行うことが可能です。

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