医学部を目指す時に悩むのが、国公立大学の医学部に進むか、私立大学の医学部に進むかでしょう。
高校3年生の夏ごろに、偏差値が70を超えている生徒は国公立大学の医学部を目指すはずですが、そうでない生徒はどうするべきか、悩んでしまうことでしょう。
今回は、国公立大学と私立大学の医学部入試の特徴と、大阪で私立医大の進学に強い、厳選した医学部予備校もご紹介します。
目次
冒頭にもお伝えしているとおり、医学部を目指すときに悩むのが、国公立大学の医学部を目指すのか、私立大学の医学部を目指すのかになってきます。
その理由は偏差値にあり、国公立大学の医学部に進むには、偏差値が70以上必要となるからです。
一方で、私立大学の医学部ではそこまで高い偏差値を必要としません。また、入試の内容もそれぞれで異なってきます。
偏差値だけを見ていくと、私立大学よりも国公立大学の医学部のほうが、高い偏差値が求められています。
最新の偏差値を見てみると、トップは東京大学の76.2、次いで東京医科歯科大学の73.3、第3位の大阪大学も73.0といずれも70以上の偏差値が必要です。
トップ10の中で私立大学の医学部は、第4位に慶應義塾大学の72.8がランクインしているだけで、トップ20を見ても私立大学は合計3校のみです。
偏差値だけ見てみると、国公立大学の医学部の方が高い偏差値を求められていることが分かります。
今度は、受験科目について確認してみましょう。
先ずは、国公立大学の医学部への受験科目についてです。
共通テスト(一次試験)では、次の5教科7科目が基本となっています。
1:英語(リスニングを含む)
2:数学(ⅠAⅡB)
3:理科
※基本的に、物理・化学・生物などから2科目選択する
4:国語(現代文・古文・漢文)
5:社会
※基本的に世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治経済のいずれか1科目選択する
理科と社会の2教科は、選択科目が大学によって異なってくるので、志望校に合わせた科目を選択する必要があります。
国公立大学の医学部受験における二次試験では、次の3教科4科目の対策が必要となることが多いです。
1:英語
2:数学(ⅠAⅡBⅢ)
3:理科
※物理・化学・生物から2科目を選択する
理科においては、必須科目が決まっている大学もあるので、注意が必要です。
関西の大学では必須科目はありません。
また、二次試験に国語が加わる大学もあり、関西では、京都大学が該当します。
さらに、医学部の二次試験には面接も行われ、試験の方法は個別面接、集団面接など大学によって異なってきます。
一部の大学では小論文が試験に加わるケースもあるので、受験する大学の試験科目はしっかり把握しておく必要があります。
ここでは、私立大学の医学部受験で必要な科目を確認しましょう。
一次試験で必要とされるのは、3教科4科目となっています。
1:英語
2:数学(ⅠAⅡBⅢ)
3:理科
※物理・化学・生物から2科目選択する
先の国公立大学の医学部受験では、一次試験で5教科7科目が必要だったので、これと比較すれば、受験しやすくなっているのは確かです。
また、関西圏の近畿大学では数学の範囲が、ⅠAⅡBのみとなっているのも特徴です。
私立大学の医学部全てが、共通テストを必須としているわけでなく、2021年度では「大学入学共通テストを活用する」と、半数程度の私大が発表しています。
私立大学医学部の二次試験では、ほとんどの大学で面接と小論文が実施されます。
一次試験に合格しないと二次試験に進むことはできませんが、国公立大学の医学部のように、学科試験がなく面接と小論文だけなので少し気が楽になってきます。
AO入試とは、自己推薦に似た入試形態で、学力だけでなく生徒の個性を重視した選考を行う入学試験です。
ただし、医学部のAO入試は全ての大学で採用されているわけでなく、一部の大学のみが採用しています。
また、大学によっては高校での成績以外で満たさないとならない条件もあります。
いずれにしても医学部のAO入試は、各大学が求めるスキルや優秀な学力が必要です。
ここでは、国公立大学と私立大学の医学部が実施する、AO入試の内容について確認しておきましょう。
AO入試の内容は、国公立大学と私立大学での違いではなく、各大学によって内容が異なってきます。
例えば、国公立である北海道大学では、「理科の指定科目を履修した現役高校生であること」が出願資格となっています。
一方で同じ国公立となる東北大学では、現役生だけでなく一浪生も出願できる入試日程があります。
私立の東海大学では、出願時に2名以上の「人物評価書」を提出することが必要となるなど、国公立大学や私立大学のカテゴリでなく、各大学特有の条件がAO入試にはあるようです。
最近ではAO入試との名称は変わりつつあるようで、「総合型入試」との名称になってきています。
下記では、推薦入試や、推薦入試などで必要な志願理由書の書き方を紹介しております。
こちらも是非参考にご覧ください。
医学部への受験では、倍率も合格率に深く関わってくるとされていますが、実際にはどうなのでしょう。
倍率には、合格率と呼ばれる「実質倍率」と「志願倍率」の2つがあります。
ここでは、医学部受験の倍率について解説しましょう。
志願倍率は、募集人員に対してどの程度の人数の志願者があったかを示す倍率で、実質倍率とは受験者数に対して実際の合格者がどの程度であったかを示す倍率であり、一般的に合格率と呼ばれています。
単純に、これらの倍率が高いから受験の難易度が上がるわけではありません。
例えば、令和3年の文部科学省公表データ「各大学医学部の入学状況及び国家試験結果等」から、国公立大学と私立大学の医学部の実質倍率(合格率)のトップ5を見てみましょう。
順位 | 大学名 | 実質倍率 |
---|---|---|
1 | 奈良県立医科大学 | 4.77 |
2 | 島根大学 | 4.33 |
3 | 岐阜大学 | 4.27 |
4 | 広島大学 | 4.16 |
5 | 愛媛大学 | 4.15 |
順位 | 大学名 | 実質倍率 |
---|---|---|
1 | 帝京大学 | 34.85 |
2 | 東海大学 | 16.93 |
3 | 埼玉医科大学 | 16.25 |
4 | 日本医科大学 | 15.28 |
5 | 金沢医科大学 | 14.87 |
このデータを見ると「国公立の医学部より、私立大学の医学部の方が合格は厳しいのでは!?」と思ってしまいます。
しかし、その考え方は間違いで合格率(実質倍率)と、受験の難易度とは別として考えないといけません。
合格率(実質倍率)は「受験者数÷合格者数」で計算されます。
国公立大学の合格率(実質倍率)が私立大学ほど高くないのは、受験した受験生の多くが合格しているからで、私立大学の合格率(実質倍率)が30倍となっているのは、合格に達しなかった受験生が多いからなのです。
国公立大学の医学部を受験するには、何度もお伝えしているとおり、70以上の偏差値が必要になってきます。
この偏差値を基準とした生徒が受験し、国公立を目指していたものの偏差値が足りないからと受験をあきらめる人もいますので、受験者数は私立大学の場合よりも少なくなり、相対的に多くの受験生が合格することとなってきます。
一方で、私立大学の医学部では大学を選べば学力に合った大学が選びやすく、受験科目も少ないので「国公立は無理でもこの私立大学の偏差値なら合格できるかも」との願いで受験する生徒も多くいます。
その結果、60以上の偏差値が必要なのに、50前後の偏差値の受験生が多いと、不合格の受験生が多くなるので「合格率(実質倍率)が高い」結果となってしまうのです。
「合格率(実質倍率)が高い」ことを逆の見方をすれば、しっかり受験対策を行って、偏差値を合格ラインに持っていけば、合格しやすくなってきます。
確かに受験生は多いですが、合格ラインを超えることができれば、医学部に進学できるのです。
私立大学の医学部では、高い偏差値は必要としない上、受験科目も絞れるので対策次第では、比較的簡単に合格ラインを超えることが可能です。
一次試験は通過するための知識を磨き、過去問から出題傾向を想定するなど、ある程度自力での勉強は可能です。
ただ、二次試験の「面接・小論文」については、過去問などの回答は存在しないので、独学での対策は難しいのが現実です。
そこで、医学部専門の予備校に通えば、医学部に精通したプロの講師によって、面接や小論文の対策を行うことが可能となります。
もちろん、一次試験についても合格に向けた指導を行ってくれるので、私立大学の医学部に合格しやすくなってきます。
私立大学の医学部では、国公立大学の医学部よりも受験科目が少なく、比較的低い偏差値でも合格が可能となっています。
だからといって、私立大学の医学部を受験すれば誰もが合格するわけではありません。
国公立・私立問わず、他の学部よりも難関なのが医学部。各私立大学の出題傾向を押さえた上で、十分な受験対策を行わないと合格は叶いません。
そのためにも、医学部専門の予備校に通って、志望校の出題傾向を教えてもらい徹底的に指導してもらうことで、合格への道が見えてくるのです。
医学部専門の予備校では、医学部に合格するためのさまざまな対策を行ってくれます。
中でも、私立大学の医学部を目指すなら医学部専門の予備校に通えば、合格する確立がグンとアップします。
医学部専門の予備校には、偏差値をアップさせるメソッドがそれぞれ用意されています。
国公立大学の医学部受験では5教科7科目について、高い得点を取らないといけません。
しかし、私立大学の医学部では3教科4科目とほぼ半分の教科で済むので、この教科を徹底的に鍛えることで、合格ラインを超える偏差値を取得できるのです。
受験科目が限定されていても、各大学での出題傾向には差がありますが、医学部専門の予備校ではその各大学における出題傾向も把握しているので、受験生に最適なアドバイスができるメリットもあります。
例えば、関西圏の私立大学に強い医学部予備校に通っていれば、どの大学なら合格を狙えるのかを、教えてもらうことも可能です。
やみくもに関西圏の私大を受けるのでなく、合格を狙える私立大学を知ることができるのは、医学部を目指している生徒にとっては大きなメリットです。
私立大学の医学部では、一次試験をパスした次なる二次試験では「面接と小論文」をクリアする必要があります。
ただ、この「面接と小論文」には過去問は通用しません。
仮に問いが分かっていても、言葉や態度、文章で回答する必要があるので、合格するための「コツ」が必要です。
また、出題の傾向も押さえておかないと、やみくもには学習できないのも難点です。
そこで、医学部専門の予備校に通っていれば、私立大学の医学部に精通したプロの講師が、出題傾向を熟知していて模範解答を指導してくれるので、二次試験の突破も難しくなくなります。
国公立大学の医学部よりも合格しやすい私立大学の医学部ですが、学費が高額になるのがデメリットであるといえるでしょう。
ここでは、各医学部の学費について確認しておきましょう。
私立大学の医学部で、学費が安い順にトップ10までを紹介します。
順位 | 私立大学 | 6年間総額 | 入学金 | 初年度費用 | 2年次以降 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 国際医療福祉大学 | ¥18,500,000 | ¥1,500,000 | ¥4,500,000 | ¥2,800,000 |
2 | 順天堂 | ¥20,800,000 | ¥2,000,000 | ¥2,900,000 | ¥3,580,000 |
3 | 日本医科大学 | ¥22,000,000 | ¥1,000,000 | ¥4,500,000 | ¥3,500,000 |
4 | 慶應義塾大学 | ¥22,040,000 | ¥2,000,000 | ¥3,840,000 | ¥3,640,000 |
5 | 東京慈恵会医科 | ¥22,500,000 | ¥1,000,000 | ¥3,500,000 | ¥3,800,000 |
6 | 自治医科大学 | ¥22,600,000 | ¥1,000,000 | ¥4,600,000 | ¥3,600,000 |
7 | 東邦大学 | ¥25,800,000 | ¥1,500,000 | ¥4,800,000 | ¥4,200,000 |
8 | 昭和大学 | ¥27,000,000 | ¥1,500,000 | ¥4,500,000 | ¥4,500,000 |
9 | 関西医科大学 | ¥27,700,000 | ¥1,000,000 | ¥5,700,000 | ¥4,400,000 |
10 | 東京医科 | ¥29,400,000 | ¥1,000,000 | ¥7,400,000 | ¥4,400,000 |
6年間総額 | 入学金 | 初年度費用(入学金含む) | 2年次以降 |
---|---|---|---|
¥3,496,800 | ¥282,000 | ¥817,800 | ¥535,800 |
※一部の大学(千葉大学、東京医科歯科大学)で上記金額よりも値上がりしています。
公立大学 | 県内・県外 | 6年間総額 | 入学金 | 初年度費用(入学金含む) | 2年次以降 |
---|---|---|---|---|---|
札幌医科大学 | 県外県内共通 | ¥3,496,800 | ¥282,000 | ¥817,800 | ¥535,800 |
福島県立医科大学
|
県内出身者 | ¥3,496,800 | ¥282,000 | ¥817,800 | ¥535,800 |
県外出身者 | ¥4,060,800 | ¥846,000 | ¥1,381,800 | ¥535,800 | |
横浜市立大学
|
県内出身者 | ¥3,579,000 | ¥141,000 | ¥714,000 | ¥573,000 |
県外出身者 | ¥3,720,000 | ¥282,000 | ¥855,000 | ¥573,000 | |
名古屋市立大学
|
県内出身者 | ¥3,446,800 | ¥232,000 | ¥767,800 | ¥535,800 |
県外出身者 | ¥3,546,800 | ¥332,000 | ¥867,800 | ¥535,800 | |
京都府立医科大学
|
県内出身者 | ¥3,496,800 | ¥282,000 | ¥817,800 | ¥535,800 |
県外出身者 | ¥3,707,800 | ¥493,000 | ¥1,028,800 | ¥535,800 | |
大阪市立大学
|
県内出身者 | ¥3,436,800 | ¥222,000 | ¥757,800 | ¥535,800 |
県外出身者 | ¥3,596,800 | ¥382,000 | ¥917,800 | ¥535,800 | |
奈良県立医科大学
|
県内出身者 | ¥3,496,800 | ¥282,000 | ¥817,800 | ¥535,800 |
県外出身者 | ¥4,016,800 | ¥802,000 | ¥1,337,800 | ¥535,800 | |
和歌山県立医科大学
|
県内出身者 | ¥3,496,800 | ¥282,000 | ¥817,800 | ¥535,800 |
県外出身者 | ¥3,966,800 | ¥752,000 | ¥1,287,800 | ¥535,800 |
このように、私立大学の医学部では6年間で、国公立大学医学部の約8倍~9倍の学費が必要となってしまいます。
ではここで、私立大学に強い大阪の医学部専門の予備校を、3校厳選してご紹介しましょう。
医進の会は、「プロ講師の授業力充実度」「受験サポート充実度」「再受験生サポート力満足度」の3部門で、2年連続第1位を獲得している、実力と人気を兼ね備えた医学部予備校です。
他校と医進の会との違いは、「講師の質と授業内容」にあります。
講師は超一流のプロ講師であり、生徒の希望で相性が合わなければ変更も可能。
他校のように、学生のアルバイト講師や塾との兼業の講師は1人もいません。
また、授業内容にしても、他校のように大人数のクラス制で、全て共通のカリキュラムで指導するのでなく、生徒一人ひとりに合わせた独自のカリキュラムを利用する、オーダーメイドの個別授業を行っています。
医進の会が作成するカリキュラムは、各生徒に合わせたオーダーメイドとなっています。
国公立大学の医学部や関西4私大医学部志望の生徒に適した、カリキュラムにてオーダーメイドの個別指導を行うことが可能。
そのため、入試傾向や特徴を把握し、効率よく合格するための知識を身につけることができます。
他校ではクラスの授業時間外でのフォローは、有料で行うケースも多く、チューターがいないもしくは1人程度しか用意されていないことが多いです。
医進の会では、苦手科目を毎回30~60分程度「授業形式」で、無料にて個別フォローする体制が整っています。
また、最大5名のチューターが1人をフォローする担当制度もあるので、疑問点を徹底的になくして合格への道を作ってくれます。
メビオでは、2022年の医学部受験合格者数が4年連続で300名を突破する合格実績のある医学部予備校です。
1980年の創立以来、メビオでは卒業生が医学部に合格し医者となり、その子どもが数十年を経てまた、メビオの卒業生が、親子2代に渡ってメビオに入り、医者になっているケースもあります。
医学部予備校としてのメビオの歴史を感じることができます。
メビオの講師陣が作成する、試験直前の入試対策授業テキストから、実際の入試問題に出題されるケースが多くなっています。
この試験問題を「ズバリ的中」させることが、メビオの講師陣の神髄といっていいでしょう。
2022年度では、東京慈恵会医科大学・大阪医科薬科大学・福岡大学・関西医科大学・愛知医科大学の各大学の医学部での試験問題に、入試対策授業テキストと同じ内容の試験問題が出題されています。
これは、メビオの講師陣が医学部に精通していることを、証明しているといっていいでしょう。
大阪医歯学院では、これまでの累計在籍者が39年間で5,986名と多くの生徒が、大阪医歯学院を選んでいます。
単純計算でも、年間150名以上の生徒が入学していることとなり、合格率は87%(4学部合算)と高い合格率を誇っており、さらに偏差値が38から医学部に合格させた実績もあります。
このような高い合格率が、大阪医歯学院を選ぶ基準の1つになっているといってよいでしょう。
大阪医歯学院での学習の特徴は、「学院」「生徒」「家庭」の三位一体の指導体制が特徴的です。
学院内では担任制によって、生徒一人ひとりに担任がつき、成績や志望校だけでなく生徒の性格も考慮した進路指導を行っています。
生徒へのカウンセリングは年4回定期的に実施し、合格に向けての具体的な対策を、学習状況や生活習慣を含めて話し合います。
また、保護者には生徒の成績や学習の進捗状況を報告して、家庭でも生徒をサポート。
この「学院での勉強・生徒とのカウンセリング・家庭のサポート」の、三位一体によるバックアップで合格率をアップさせているのです。
このような体制が生徒一人ひとりの志望大学に向けた対策を可能にしているので、大学ごとに対策が異なる私立大学医学部の受験対策がしっかりと行えます。
今回は、国公立大学の医学部と私立大学の医学部の、受験に関する違いを詳しく解説してきました。
偏差値の面や対策教科の面をみると、医学部への進学を希望するなら私立大学医学部ほうが、国公立大学の医学部よりも合格しやすくなっています。
偏差値に心配のある方、対策教科を絞りたい方、どうしても医学部に入学したいなら、私立大学の医学部を目指すことをオススメします。
合格しやすいといっても入試対策を万全にしていないと私立大学の医学部の合格も危ういのは現実なので、医学部予備校に通うことが必須といっていいでしょう。
医学部予備校にて万全な受験対策をとって、私立大学の医学部を受験すれば、医学部合格はグッと近くなってきますよ。