医学部のある関西の大学を紹介:奈良県立医科大学

公開日:2023.10.13 更新日:2023.10.13

関西の医学部受験に対し、選択肢を多く持っておくことは重要です。
関西では奈良にも医学部を持つ大学があるので情報を確認しておきましょう。

奈良県立医科大学が得意とする研究や進学、就職先の情報を把握することで入試や入学のビジョンが明確化できます。

奈良県立医科大学の特徴を見ていきましょう。

奈良県立医科大学の特徴

奈良県立医科大学は1945年に設立された奈良県立医学専門学校が基となっており、1952年に新制大学として開設されました。

奈良県では唯一の医学部のある大学で、地域医療の発展を支えるという重要な役割を担っている大学でもあります。

「医学を基礎とするまちづくり」の構想を軸とし、医学から地方や産業の発展といった社会貢献を目指していることが特徴です。

地方の医療事情を改善できる人材の育成に力を入れており、地域で活躍できる臨床医や研究医を多く輩出することを目的としています。

国内の研究医不足にも着目し、公立大学で唯一の研究医養成コースを設けているのも特徴です。

夏季や冬季、春季などの長期休暇に「研究医特別メンター実習」を行い、研究医の育成に一層力を入れています。
膨大なデータと設備の整った環境で高度なことが学べるため、地域だけでなく世界に羽ばたく人材育成も視野に入れているのが特徴です。

建て替え工事も進み、設備もより一層充実してきた奈良県立医科大学。
その学科情報を見ていきましょう。

奈良県立医科大学の学科情報

医師に必要な知識を学び、経験を積んでいくことは医学部として当然ですが、奈良県立医科大学では人間形成にも重点を置いています。

他の医師や患者など、様々な人と接するために医師にはコミュニケーション能力が必要不可欠。
知識だけでなく医師に必要なスキルを身につけるためのカリキュラムも揃っています。

医学部医学科

授業科目は教養教育部門と専門教育に分かれています。
教養教育部門は一般教養と基礎的な医学の知識を学び、専門医学では解剖学などの基礎医学と臨床医学を学びます。

臨床英語教育や海外への短期留学、将来的にアメリカ医師免許取得もでき、地域医療への貢献と国際的な人材育成を両立しているのも特徴です。

特徴

1年次は一般教養を中心に学びますが、奈良県立医科大学は付属病院が隣接していることで1年次から実際の医療現場の雰囲気を身近に感じることが可能。

付属病院が隣接していることで実習に使用する設備も充実。
医学部生は2年次後期に研究室やゼミに所属して、数か月間の研究を行うことになっています。

研究医養成コースも設けており、先端医学研究支援機構が設置されているのも大きな特徴でしょう。

大学でありながらラジオアイソトープ実験や組換えDNA実験を行う設備が整っているため、高度な研究が可能となっています。

就職先の傾向

付属病院があるので臨床医として勤務することがほとんどで、その他は奈良県内の大学と関連する病院や施設で働くことが多くなります。

大学に研究医育成コースがあり、高度な研究を行える施設も多いことで研究医として就職する場合も少なくありません。

教育支援制度もあるため、卒業後は海外留学や大学院進学を決める人も多くいるのが特徴です。

医学部看護学科

変化する医療、福祉の環境に対応できる技術と知識を身につける医学教育と、地域医療に貢献できる人材育成に力を入れています。

国際感覚を身につけることで、より幅広い知識で地域に還元できる看護専門職の育成を目指しているのが特徴です。

特徴

医学科と同様に付属病院が敷地内に隣接しているため、看護学科のほうでも、実際の医療現場や福祉の現場を1年次から直に感じることができます。

付属病院での実習も積極的に行われ、看護に必要な患者とのコミュニケーションの重要さを早い段階で理解することが可能です。

看護の現場では技術や知識だけでなく、多職種の連携や協力が必要不可欠となります。
そのため、奈良県立医科大学ではコミュニケーションをより重視し、1年次に医学科と看護学科で行う合同科目が数多くあるのも特徴です。

チーム医療の連携を学生の内に経験しておくことができます。

就職先の傾向

卒業後は付属病院勤務以外に介護福祉施設、診療所、訪問看護ステーションに勤務することが多いです。

取得する資格によっては市町村の保健センターや保健所にも勤務できます。

大学院への進学を選択する場合は、看護学コースと助産学実践コースから選びます。
助産学実践コースでは助産師の国家試験受験資格を取得し、助産師を目指すことも可能です。

奈良県立医科大学の入試情報

奈良県立医科大学では学校推薦型選抜、一般選抜で入試が行われます。

医学科の学校推薦型選抜は、緊急医師確保特別枠と地域枠に分かれており、奈良に住んでいる人は少し入学しやすくなるのが特徴です。一般選抜は前期と後期に分かれています。

看護学科は学校推薦型選抜と一般選抜の前期のみです。

医学部医学科

医学科は学校推薦型選抜と一般選抜共に、大学共通テストと個別学力検査で入試を行っていきます。

入試区分 募集人員
学校推薦型選抜(緊急医師確保) 13名
学校推薦型選抜(地域枠) 25名
一般選抜(前期日程) 22名
一般選抜(後期日程) 53名

大学共通テストは学校推薦型選抜と一般選抜前期、後期共に6教科7科目です。

教科 科目 科目選択
国語 『国語』 必須
地理歴史 「世界史B」「日本史B」「地理B」 左の7科目の中から1科目を選択
公民 「現代社会」「倫理」
「政治経済」
『倫理、政治・経済』
数学 『数学Ⅰ・数学A』 必須
『数学Ⅱ・数学B』
『簿記・会計』
『情報関係基礎』
左の3科目から1科目を選択
理科 『物理』
『化学』
『生物』
左の3科目から2科目を選択
外国語 『英語』(リスニング含む)
『ドイツ語』
『フランス語』
『中国語』
『韓国語』
・一般選抜前期は『英語』(リスニング含む)
・学校推薦型選抜と一般選抜後期は左の5科目から1科目選択

個別学力検査は数学、理科、英語の3教科の学科試験と面接です。
理科は物理、化学、生物の3科目あり、その中から学校推薦型選抜では1科目、一般選抜後期では2科目選ぶことになります。

医学部看護学科

看護学科の学校推薦型選抜試験は小論文と面接のみです。
小論文の課題文は英語で試験時間は90分となります。

入試区分 募集人数
学校推薦型選抜 35名(地域枠35名)
一般選抜(前期日程) 50名(一般枠40名、地域枠10名)

一般選抜は、一般枠と地域枠ともに大学共通テストを利用して行われますが、志願者数が一定以上の場合、第2段階選抜として面接と小論文を行います。

共通テストの科目は6教科5科目、または6科目です。

教科 科目 科目選択
国語 『国語』 必須
地理歴史 「世界史A」「日本史A」「地理A」「世界史B」「日本史B」「地理B」 左の10科目から1科目を選択
公民 「現代社会」「倫理」
「政治経済」
『倫理、政治・経済』
数学 「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」
『数学Ⅰ・数学A』
『数学Ⅱ・数学B』
左の6科目から1科目を選択
『簿記・会計』
『情報関係基礎』
理科 1「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」 左の1から2科目、または2から1科目を選択
2「物理」「化学」「生物」
外国語 『英語』(リスニング含む) 必須

なお、一般選抜の地域枠で合格者とならなかった場合は、一般枠の出願者として改めて選抜されます。

出願方法

出願はまずインターネットから行います。
大学のホームページからアカウント作成を行い、ログインして出願手続きを行います。

入学検定料を支払い、再び大学のホームページにログインして志願票などを印刷し、顔写真の貼り付けや必要事項を記入し書留で郵送してください。

医学科の学校推薦型選抜は12月、一般選抜は1月から2月までがインターネット出願登録期間で、看護学科の学校推薦型選抜は10月、一般選抜は1月から2月がインターネット出願登録期間となります。

インターネット出願期間と出願書類の提出期間は異なるので注意しましょう。

奈良県立医科大学の所在地

〒634-8521 奈良県橿原市四条町840番地

アクセス

【電車】
・JR万葉まほろば線畝傍駅下車、徒歩約10分
・近鉄大和八木駅下車、徒歩約15分またはバス約8分
・近鉄八木西口駅下車、徒歩約8分

【バス】
・近鉄大和八木駅から奈良交通バス、または橿原市コミュニティバスで「医大病院玄関口」下車すぐ

まとめ

奈良県立医科大学は都会にある医学部ではありませんが、比較的都市部で発展している場所にあるためアクセスも良く、奈良の落ち着いた場所で医学について深く学べる場所となっています。

公立大学の中では珍しく研究医育成コースや先端医学研究支援機構が設置され、高度な研究を行うことができるのも魅力です。

入試では地域枠があるので奈良に住んでいて地域医療に興味があり、高度な研究を行いたい人にとって環境が整った、最適な大学といえるでしょう。

地域医療だけでなく、臨床英語教育や海外への短期留学、アメリカ医師免許取得もできるため、将来性の高さも奈良県立医科大学の魅力。

国際的に通用する研究と医療で社会的に貢献できる人材育成に力を入れているので、国際的に活躍したい人にもおすすめの医学部です。

受験する際はしっかり準備していきましょう。

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