医学部に合格するための受験勉強計画の立て方を紹介します

公開日:2021.05.27 更新日:2023.09.22
医学部に合格するための受験勉強計画の立て方を紹介します

自分の夢を叶えるためには、その夢に続く何かしらの扉を開け、その道に進むことは欠かせないプロセスです。医療従事者になるという夢を持っているのなら、医学部への受験、そして合格ということは欠かせない関門となるでしょう。
ここで大切なことは、医療従事者になりたいと思った時期ではなく、どういった受験計画を立てたか、というところになります。医学部合格へと続く扉を開くことが出来る計画とはどんな方法なのか、詳しくご紹介しましょう。

医学部受験における勉強計画を立てるメリット

今の自分に必要なことを把握できる

医学部受験を志すとき、もちろんそれだけでなく、自分の将来を決定する際には、今の自分の状況を把握することが大切です。そしてこれは勉強において、受験計画を作成する際のメリットとなります。

計画を立てる際には、今、自分がどんな状況にあるのか、客観的に把握することが避けては通れないものです。自分を知ること、そして自分に必要なことを把握すること、それができることは、後の自分にとって大きなメリットとなりえるものです。

 

効率的にバランスよく進められる

受験計画を立てると、その計画内容がどのようなバランスにあるか、自分で知ることが出来ます。医学部受験には、何か一分野だけ優れているという学力では合格できません。そのため、まんべんなく様々な分野の勉強をするには、受験計画は欠かせません。

また、こうして計画をしてから取り組むという癖がつけば、その後の様々な事象においても、バランスよく取り組む習慣を身に着けることが出来ます。

 

勉強時間を立てることでモチベーションを維持できる

受験計画を立てることの最大のメリットともいえるのが、モチベーションの維持です。やみくもにあれこれと思いつくままの勉強法では心が疲れ、勉強そのものに「飽き」が生じてしまいがちです。

計画があれば、その分メリハリを感じることが出来ます。メリハリは心の活性化へと繋がり、モチベーションを維持することもできます。

 

学習計画の作り方

勉強時間ばかりを主軸に考えない受験計画

具体的な受験計画についてですが、まず、今の生活を大きく変化させる計画では、習慣化させることは難しいものです。どんな人も、例えその先に医学部合格があると言われても、自分の生活を一変させるのは難しいでしょう。身に着けるのにも苦労します。

ですから勉強時間ばかりに着目しないこと、今ある日常の中でどうやって勉強時間を設けるか、そこに主眼を置いて学習計画を作ることが大切です。

例えば、部活動もやっているという高校生なら、部活を終えて帰宅するのはおおむね19時ころでしょう。食事をしてから就寝を23時にしても3時間以上はあるはず、そこで何をしているのか、おそらく、スマホをいじったり、テレビを見たり、お風呂に入ったりいろんなことをしているでしょう。

ここに着目し、時間配分を計画すれば3時間以上勉強への時間を設けられます。

つまり勉強時間のほうばかりに着目せずとも、すきま時間を組み合わせることで、充分今の生活を大きく変えずに勉強時間を作ることは可能なのです。

 

計画をないがしろにしない

突然の用事や気分など、計画を立てたものの上手く合わせられないということもありましょう。この場合に、計画通りにいかないことを見なかったことにしないようにしましょう。まず、合わせられない計画とは、そもそも自分の生活に上手に組み合わせられていない計画であるということです。

その際には計画を再度練り直しましょう。

また、計画を立てたなら必ずその計画に沿って行動すること、つまり計画をないがしろにせず、自分で作った受験計画に沿って行動することを心がける、逆に言えば、受験計画を作る際にも、ないがしろにしない計画を作るよう心がけましょう。

 

志望校に合わせた勉強計画を立てる

全体的な計画を立てる

1年間のスケジュールを立てる

医学部受験を目指し、まずはおおむねの志望校を決定することは重要ですが、こうして志望校を決めた後、その学校に合格するための1年間スケジュールを立てましょう。

この1年間スケジュールは、受験計画の骨子としても重要です。ちなみに骨組みとなる受験計画でもありますから、あまり細かく、詳細な計画ではなく、方向性やここまでの達成を目指すといった、いわば目標的な計画がオススメです。

例えば、夏休み前まで、秋の学校祭前までなど、学校や生活の中で生じるスケジュールを組み合わせ、そこまでにどんな目標を設定するか、また中間的に行われる模擬試験をこれに組み合わせ、どこまでで判定を得るか、こうしたことを設定するように努めましょう。

 

1か月のスケジュールを立てる

1年間スケジュールを設定したら、次は1か月のスケジュールを定めます。こちらは1年間スケジュールよりももう少し肉厚に、しかし、詳細にせずという程よいスケジュールにすることがオススメです。

1か月のスケジュールは、曜日や諸行事も組み合わせ、ある程度大まかな方向性が見えてくるものですから、そこを重点的に考慮した計画を立てましょう。
例えば、5月のスケジュールを決める場合、月の前半にある大型連休を全て勉強に当ててしまっては勉強疲れしてしまいます。息抜きの日を設ける、また部活動をしているなら休みの日に模擬戦などもあるでしょう。試合の後は体を休め、別の日にしっかりと勉強の時間を設けるなど、体と心にバランス良い計画を立てるよう努めると計画を進めやすくなります。

 

1日のスケジュールを立てる

1日のスケジュールでは、その曜日によって生じる諸行事も違うことを念頭に置いた計画を設定することをオススメします。学生なら、学校の授業を踏まえた受験計画にするというのも良いでしょう。とくに医学部受験でポイントになるのは、自身の学習能力の把握になりますので、学校で学んだことをどれだけ理解しているか、その日のうちに反復確認することは後の判定にも大きく影響し、自身の学習能力の把握の裏付けにもなります。

オススメの学習計画としては、まず平日の場合には学校の授業に照らし、休日は平日できなかった部分を補充するといった計画です。また、勉強疲れや飽きを防止するため、時間をある程度区切り、休むときはしっかりと休む、気分転換の時間も設けるといった配慮も欠かせません。

しかし、気分転換の後、勉強意欲を向上させるための配慮も忘れないようにしましょう。例えば得意な科目や好きな科目は、休憩の後に設定し集中しやすいように計画することもオススメです。

 

科目ごとに計画を立てる

タイムテーブルは、時間に対する配慮だけではありません。科目に関しても大切であることを忘れてはいけません。科目には人それぞれ得手不得手が生じてしまいがちです。しかし、医学部受験の大きな障害となるのがこの科目それぞれに対する得意、苦手という意識です。

一度苦手と感じてしまうと、心が拒絶反応を示し、それを払しょくするのに時間がかかってしまいがち、ですからなるべく苦手と感じる科目を減らすよう心がけることが肝心です。

ここでオススメしたいのが、問題集を上手に活用するという方法です。例えば、歴史や史学に関して苦手意識を持っているという場合、数学などの問題集と同じようなテイストの史学系の問題集を用いると、苦手意識はどんどん増してしまいがちです。好きな数学の問題集と知らず知らずのうちに心の中で比べてしまうからです。

全く違うテイストの問題集、なんなら小学生用や中学生用の物でも構いません。自分がすんなりと読みやすいもの「へぇ、なるほどね」と思えるような内容の問題集を選んでみるということも大切です。なにも難しく高尚な内容であれば学力が全て向上するわけではないのです。自分が理解しやすいもの、そしてそれを導入として進めやすいものを手に取るといった問題集への取り組み方がオススメです。
問題集を選ぶ際には、なるべく複数の、それも違う編集社が作成するものを選ぶと良いでしょう。一つの事象に対して多角的な視点を学ぶことができます。

 

勉強スケジュールの例

現役高校生の場合

まずは現役高校生の勉強スケジュールですが、学校のスケジュールに合わせることが重要です。例えばカリキュラムの復習も大切ですが、イベントといった学校行事も重要。学生時代というのは一度しかありません。学生にしかできない思い出もあります。

こうした一見勉強と関係ないことも、その思い出が後の学習に生きてくることは多々あります。ないがしろにしないことが大切です。そのためにも学校イベントや授業を組み合わせてスケジュールを組みましょう。

オススメは1か月のスケジュールを設定すること。もちろん、1日のスケジュールも大切ですが、長期的な組み立てによって1日のスケジュールを変化させると習慣化しやすくなります。

 

浪人生の場合

浪人生の場合には、1日のスケジュールを綿密にしないよう、ペース配分に配慮したスケジュールを作成するのが良いでしょう。例えば、1日いっぱい同じ科目の勉強をするという方法、その方が集中しやすいという方もいますが、一般的にはこの手法では勉強そのものに飽きてしまう場合が多いものです。

飽きずに、その上テンポよく取り組むため、午前中と午後、また朝や夕の合間に息抜きの時間を設けること、もちろん息抜きの後も大切に。

科目ごとにペースを分けるのも良いですが、もっと細かく、例えば微分積分学や高次方程式をそれぞれ別のタイミングに分けて、それをスケジュール分けするなど、細分化したスケジュールで、そもそもの基礎をしっかりと学ぶというのも良いでしょう。

時間を有効に使うためには、問題を多くこなすだけでなく、基礎から復習する楽しみも待っているということでもあります。

 

国立大学を目指す場合

国公立大学の医学部を目指す場合、まずは1月までにどのくらいの判定を得られるか、この点が最重要課題となりましょう。ですから1月までのスケジュールではなく、その時点ではもうある程度形を明確にできているよう、11月末を一定の基準に定めた受験計画を作るのがオススメです。

学習支援を活用することも大切ですが、やはり自分自身の力は自分で定めることが重要です。加えて他人の意見ばかりに終始せず、自分の可能性も信じることが出来ます。

 

私立大学を目指す場合

私立大学の医学部を目指す場合、ここで欠かせないのは学校を把握するということです。具体的に言えば、学校案内などはなるべくしっかりと目を通し、キャンパス説明会なども顔を出しておくことをオススメします。

私立大学の場合、何故その学校の医学部を選んだのか、これが面接試験で重要となる場合が多いのです。ですからスケジュールも、これに合わせて計画するのが良いでしょう。

理学系の大学に多い医学部ですが、理学系以外の学科もある大学の場合、理系の点数だけでなく文系への程度も図られます。こちらを確認して学力向上を図ることは欠かせないことであることはお分かりいただけるでしょう。

面接試験対策については下記の記事を参照してください。


睡眠時間の確保を忘れずに

睡眠の必要性

勉強に集中しすぎると、睡眠時間を削ってまで頑張りたくなるものでしょうが、ここは危険です。スケジュール作成の際にも忘れず睡眠時間は確保するよう心がけてください。

なぜ、それほど睡眠が重要なのか、人は24時間のうち約4割から3割は睡眠に時間を設ける必要があるといわれていますが、それには人間の身体の構造が影響しているからです。

睡眠中に人は脳の中の記憶を整理し、筋肉を休め、体内バランスを整えるという作業を行っているといわれています。つまり、人が健康的に生活するために睡眠は欠かせないものなのです。

健康な状態にあると人は脳内バランスも、また精神状態も整いますから、勉強しやすい状態を保つことが出来ます。モノを学ぶ時に身体や脳内のバランスが整っていなければ、記憶もままならなくなるからです。

それだけ睡眠とは勉強に大きく影響するものだからこそ、決して軽んじてはいけません。

しっかりと睡眠をとる、それはスケジュールに合わせて効率的に勉強することと同じだけ受験に欠かせないことです。

 

寝る前と起きた後にすると良い勉強法

人は起きぬけには覚えが鈍いといわれています。このため、起きた後には数学など反復継続する問題を解くことでアドレナリンを出し、脳内を目覚めさせると良いでしょう。

現に起き抜けのボーっとした頭で、年号を覚えよと言われても誰でも難しいことでしょう。またこの起き抜けは復習するのにも効果的ですから、前の晩に学んだことを復習するというのも良いでしょう。

寝る前は暗記ものがオススメです。繰り返し覚えるべき文言を脳内で繰り返すのですが、大切なのは、ここですべて覚えようと気負わないことです。明日の朝、また繰り返して確認してみよう、この位の心の余裕を持つと、人間の脳はたいていの場合9時間経つと記憶がおぼろげになるものですから、おぼろげになったころに再度覚え直しをすることで、再認識が可能となり、しっかりと記憶させることが出来ます。
もちろんどちらも、睡眠による休息が大前提にあることは忘れてはなりません。

 

まとめ

医学部受験を目指し受験計画を立てる場合、具体的なスケジュール設定と共に、自身の生活に見合った計画設定は欠かせないものです。加えて睡眠など、必要以上に自分を苦しめる計画にならないようバランス良い計画にすることで、長続きしやすい計画を作ることが出来ます。

無理のない計画は単に受験に挑む環境を整えるだけでなく、その後の合格にもつながることを念頭に、自分なりのバランスと効率を考慮した受験計画を立てましょう。

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