医学部受験のために塾や予備校に通うと、それだけコストがかさみます。
単純にコスト面だけで言えば塾なしの自宅学習のほうに分があると言えるかもしれません。
塾に通った場合と通わなかった場合とで合格率に違いが出るのでしょうか。
また、塾に通わずにひとりで勉強するうえで特に注意すべきポイントはあるのでしょうか。
塾通いと自宅学習のメリットとデメリットを比較してみました。
塾なしで医学部受験をめざす学生は、どちらかと言えば少数派です。
特に現役受験では塾および予備校通いの割合が高くなっており、ほとんどの学生がどこかの予備校に所属している状況です。
しかし、だからといって塾なしでの自宅学習が効率の悪い自宅学習であるというわけではありません。
自宅学習グループは確かに少数派ですが、人数で考えれば毎年一定数の独学組が医学部に合格している事実があります。
仮に自宅学習グループが全体の3%としても、トータルの受験者数が10000人であれば300人も塾なしで合格していることになります。
また、すべてが確率で動くわけではありません。
たとえ少数派であっても、自分には自宅学習が向いていると確信しているのであれば最後までそれを貫くぐらいの気概が合格に結びつくこともあるでしょう。
塾や予備校に通わずに独学で医学部合格をめざすには、第一に根気が必要です。
外部からきめられたリズムにしばられない自宅学習は自分のペースで勉強を進められるというメリットがありますが、反面、生活リズムのメリハリがつきにくいというデメリットもあります。
自宅学習を飽きることなくつづけるために、勉強場所と生活空間を完全に分けるのも効果的な方法です。
毎日同じ場所で寝起きし、同じ場所で勉強しているとどうしても気分的なメリハリがつきにくくなり、結果的に無駄な1日を過ごしてしまうことも考えられます。
自宅学習の成果が今ひとつ上がらないと感じる場合は、自宅の生活環境から見直してみましょう。
塾に通わない自宅学習は孤立が進みやすく、期間が長くなるほど精神的に追い詰められてくることも考えられます。
無理をして自宅学習をつづけることは、精神的にも悪い影響のほうが大きく、やがて体にも表れてきます。
自宅にこもって勉強することだけが独学ではありません。
大手の塾や予備校では現役生だけではなく、社会人や浪人生にも自習室を開放しています。
定期的に自習室に通うことにより気分転換につながり、自習室という空間に一定時間身を置くことで学習への集中力が高まることにもつながります。
また、同じ目標にむかうライバルを間近で見ることによって良い意味でのプレッシャーがかかり、知識の定着率を高める効果が期待できるかもしれません。
塾なしで医学部合格をめざすアプローチは、社会人や浪人生にとってスタンダードと言えるほど定着しています。
学習の進行度をすべて自分の裁量できめられるためマイペースに勉強ができるメリットがありますが、一方で、気分転換がうまくできずに精神的にも肉体的にも追いつめられやすいというデメリットもあります。
どちらがより優れているかという問題ではなく、当人の素質によってふさわしいアプローチが変わってくるため、自分の適性を見きわめたうえで無理なく勉強がつづけられるスタイルを選びましょう。